好きで好きで好きで好きで好きで仕方がなかった。
一緒にいるだけじゃ物足りなくて、触れたくてもっと触れたくて抱き締めたくて、それが叶うと今度は抱きたいとさえ思った、下品な話、欲情した。
男だから仕方ないけど、欲を押し付けられるツナは嫌だろうと思った。
でもそれを告げるとツナは睫毛を微かに震わせて頬を真っ赤にして、小さく頷いた。抱き締めたらいつもより荒い熱い吐息が耳にかかって余計に興奮した。
だってでもツナもそうで、お互い好きで好きで仕方がなくて、冗談じゃなく溶け合ってしまいたいと思ったほど欲情していた。
ツナとセックスらしいセックスをしたのは初めてだった。ぐしゃぐしゃにシワの寄ったシーツの上で、俺たちは何だかもう滅茶苦茶だった。
興奮しすぎていてよく分からなかった。
ツナを傷付けないようにそれなりにと思っていたはずが、俺ばかりでなくツナも欲情してくれていると思ったら俺の下で死ぬほど喘がせたくなった。
傷付けまいとゆっくりゆっくり慣らしていくつもりで、そのつもりで大丈夫かって訊いたらツナが、もう入れてほしい、なんて言うからそれだけでいきそうだった。
腰を沈めたらツナは顔を歪めて苦しそうに呼吸をしていたけれど、それより俺たちはそれが出来たこと自体に興奮していた。
とにかく快楽を追うこと以外は一切気にならなかった。だから余計に、飽きるほど吐精して我に返った後のツナの落ち込みようったらなかった。
鮮血が染みたシーツの上に視線を落として、ツナは悄気た。
上手くできなくてごめんね、こんなの見たくないでしょ。そう言っていそいそとシーツを剥がして丸めようとした。
そんなこと考えてたのか、と俺のほうが心苦しくなる。
俺たちの置かれてる状況がどうだからってそんなのこれには関係ないし気にしないで良いんだって、だって好きで好きで仕方がないんだから。
だからお前だって答えてくれたんだろ、ツナ。そう問うとツナは小さく頷いた。せめてこういうときだけは血なんか見せたくないと思って。
ああもうどこまで優しいんだ。そんな気を使う仲じゃねーじゃん、もう!思わず剥がされかけていたシーツごと抱き締めた。
そんなにも俺を想ってくれているのだと考えると胸が締め付けられて切なくなる。
俺の心配なんかしなくていい、だってお前と一緒にいられるならそれだけでいいんだ、例えお前がここを地獄のどん底と呼んだって、
それでも俺と一緒にいてくれるんだろ、だったらもう何だっていいよ。
恨んでないし憤ってないし悲しんでもないから、お前も後悔しないで気にしないで悲しまないで。
でも何か切なくて上手く伝えられないと思ったから、代わりにその耳元に顔を埋めて呟いた。好きだぜ、ツナ。
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