小ネタ/ほのぼの


無花果:タイトルまんま※下ネタ注意


ありえないから:キモい山本→→→→→(越えられない壁)ノンケツナ

















 ツナの頬にキスをした。そしたらツナの顔はみるみる真っ赤になって肩はわなわな震えて、信じらんないみたいな表情で俺を見てる。そうだよな、俺だって信じらんねーもん。多分ツナが可愛いからだ。正面も横顔も可愛い、ちっこくて可愛い。ツナが獄寺みてーに愛想なくてつんけんしてたらこんなことしねーよ。おおおお俺、女の子じゃないよ! ツナは叫んだ。ああ、知ってるぜ。じゃあ何でこんなことすんの、普通しないよ! 何でだろうなー、何かツナを見てたらちゅーしたくなった。馬鹿! 山本は俺に女の子を重ねてんだ! ツナは怒ってどっかに走っていってしまった。ツナが怒っても怖くねーんだもんな。怒っても可愛い。獄寺がテメェ何やってんだぁぁぁぁと怒鳴り散らしながら走ってきた。ほら、こっちはちっとも可愛くねー。そうだ、獄寺に訊いてみよう。なぁツナって可愛いよな、何かすげーしたくなっちまってちゅーしちまったんだけど、これやっぱ変かな?ってな。
















「ツナとえっちしたいなー」

 ボカーンと俺は爆発した。いや俺じゃなくて正確には、俺がテレビゲーム上で操作していたキャラクターが。
「は……?」
 コントローラーを放り出して左を向けば、山本が満面の笑みをたたえてこっちを見ていた。俺は不安になる。
「山本……頭おかしくなった?」
 ちょっと本気で尋ねると、それ酷くね?と山本は苦笑する。
 確かに今のは悪かったかもしれない。でもいきなり、ムードも何もないこの状態でそんなこと言われたって、からかわれてんのかと思うじゃん。俺たち今まで普通にテレビゲームしてたんだよ。
「っていうか、言う相手が間違ってるよ」
 山本は俺と違って女の子にモテる。そういう場面を実際に目の当たりにしているんだ、その上で俺と本気で変なことしたいなんて言うのなら、もう狂気の沙汰としか思えない。山本に惚れてる女の子だったら、山本の申し入れに喜んで応じてくれるだろう。俺なんかに言うから正気を疑われるんじゃないか。
「いや、間違ってない、マジなんだ」
 山本は打って変わって真剣な表情で俺の顔をじっと見つめてきた。え、ちょっと、何これ?は、と俺の口から笑い声になり損なった音が漏れた。頬がひきつっている。
「ヤらして……ツナ」
 山本の顔が迫ってくる。視線を外せない。外してしまったら、油断してしまったらその拍子に何かされそうで少しだけ怖い。
「や……む、無理!」
 俺は勢いよく顔を背けた。すると山本はそれをいいことに、俺の左耳に唇を寄せて囁く。
「ツナ……」
 鳥肌が立った。脳みそが沸騰してどうにかなりそうだった。何でよりによって俺なの?左耳を手で隠しながら山本の方をちらっと見る。
「その辺の女子より俺、ツナとえっちしてーよ……ツナを気持ちよくさせてやりたい、ツナのよがってる顔見たい」
 山本は俺の顔を覗き込み、切羽詰まった表情でそう訴える。何でそこまで必死になるんだよ、意味が分からない。
「お願い……ツナ」
 ……俺、山本はもっとこう……いつでもシャキッと爽やかな奴なんだろうと思ってたんだけどな……。熱っぽくねっとりした視線が俺の横顔にばしばし突き刺さるのに耐えられなくて、俺は遂に観念した。ああ、何で俺ってこういうことも断れないかなぁ。
「わ……かった」
 渋々そう言うと山本はパッと嬉しそうな顔に切り替わった。俺はちょっとイラっとした。嬉しいのは山本だけじゃないか。

「あのな、俺、男同士でどうすりゃいいか調べたんだって」
 言いながら山本は俺たちが今まで寄りかかっていたベッドの下に手を入れた。ガサガサ音をさせながら取り出したのはビニール袋。角ばった何かで膨らんでいる。

「無花果浣腸とローションとゴム買ってきたのな!」
 勢い込んで言う山本。俺は開いた口が塞がらなかった。用意周到。俺が断ったらどうするつもりだったわけ?断っても無理矢理するつもり……いや、断れないのを知っていて?
 っていうか、それ一人で買ってきて恥ずかしくなかったのかよ。

「大丈夫、全部一緒に買ってきたから」
「それ余計に恥ずかしいだろ!」

 ローションとゴムが一緒にあったら無花果浣腸を何に使うかだって何となく分かっちゃうじゃん!本当に意味が分からない。俺を差し置いて山本は本当に嬉しそうに、うっとりした表情で俺を見つめてくる。
「ツナ……嬉しい、気持ち良くしてやっからな」
 その表情に俺は少しの恐怖を覚える。それでもそっとゲーム機に手を伸ばし、電源をオフにしてやった。
















 漫画に起こしたらふに、とかぷに、とか擬音が付くであろう感触に、俺は目をしばたかせた。山本がテストんときより真剣な顔をして目の前に立っていて、あぁ今のは山本にやられたんだ、と改めて理解する。
 男同士の友達付き合いと言うのは時折、恋人付き合いよりも深いんじゃないかと思うときがある。毎日つるんで馬鹿やって、それでも飽きないのが男同士のいいところ。でもだからと言って友達にキスしたりはしない、誰だって分かってる。しかもこんな真剣な顔で、耳まで真っ赤にして。
 そうか山本はそっち系の趣味の人だったのか、そうかそうか。そりゃ多少は驚いたけれど、元々同性愛者とかに偏見があるわけじゃない。恋愛は自由だ、好きにすればいい。でもその対象が他の誰かじゃなくて自分となると話は別、結構困る。だって俺は同性愛者じゃないからだ。
「……好きなんだ」
 山本は今にも死にそうな顔で告白してきた。可哀想だけど俺は山本の気持ちに答えてあげられない、何故ならば何度も言うが俺は同性愛者じゃないからだ。
「山本ってホモだったの?」
「……違う、ツナだけなんだ、特別なんだ」
 好きになった相手がたまたま同性でした、ってパターンか、そうかそうか。でもそれは多分山本の勘違いだろう。山本は俺を女の子に重ねて見ているに違いない。俺は身長だって下手したら女の子とそんなに変わらないし体格が良いわけでもなく、顔だって童顔だと言われる。そんな数々のコンプレックスを好きだと言われても嬉しくないのだ。
「……ごめん」
 山本それは好きとかそういうんじゃないんだよ、きっと。山本は多分普通に女の子が好きで今回たまたま勘違いしちゃっただけだと思うよ。
「俺はツナだから好きなんだ、ツナだけなんだよ」
 何だろうこの熱烈な告白は。男女ともに信頼が厚くて人気者で女の子にモテモテの山本からこんな熱烈な告白を受けてるのが俺って。あぁ恐ろしい。天変地異。青天の霹靂。明日世界は終わるんじゃないだろうか。
「……無理……」
 俺の言葉に山本は泣きそうな顔をした。わー困る。男女ともに信頼が厚くて人気者で女の子にモテモテの山本を泣かせたのが俺って。山本ファンの女の子にバレたら後ろから刺されそうだ。
 だいたい好きだって言うってことはこれ告白だろう、もし俺がここで頷いたら相思相愛ってことになってオツキアイの流れになるんだろうか、オツキアイってデートしたりちゅーしたりセッ……裸で山本と抱き合う自分を想像しようとして一瞬で後悔した。無理無理無理。泣きそうな顔されても無理。
「ツナ……!」
 もう辛抱堪らんという顔で山本は俺の腕を取って思いっきり自分の方へ引っ張った。俺は慣性のままに山本の腕の中にダイブする。内心ぎゃーと思ったけど咄嗟に声がでなくて、その隙に背中に腕が回ってきた。悲しいかな身長差というやつで、俺は山本の腕の中にすっぽり収まってしまっている。ちょちょちょ何これ、俺の背中に回された山本の手が段々下に降りてきて俺の腰からケツ辺りをまさぐっている、ちょっとセクハラ!背筋がぞぞぞぞとした。俺の穴は狙われているらしい。ケツを揉みしだきたいという様子で山本の右手がもしゃもしゃ腰の上で動く。ちょっとマジで勘弁、俺は俺の貞操を死守することにした。それこそ死ぬ気で守る。バックバージンを。
「チャンスある?」
 山本が俺の耳元で囁いた。いや、ないから。








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