何か静かだなーと思ったら、ツナはベッドに寄りかかって眠っていた。
 一緒に宿題やろうなんて誘って悪かったかな。いいよーなんて言ってくれたけど、チビたちの世話で大変だとか言ってたっけ。
「ツナ?」
 呼んでみたけど反応がない。すっかり眠ってるみたいだ。起こすのも可哀想だけど寄りかかったままで背中痛くねーかな。そうっと近づいてみる。俯き加減のツナの顔を覗き込むと、長い睫毛は伏せられていて、唇は半開きだった。俺はその唇に視線が釘付けになった。キスとかしてーなーってぼんやり考える。だってすげー柔らかそうなんだぜツナの唇って。ちょっと可愛いしなーツナって。男だけど。俺ってやばいかな。
 もっと近づいてみた。ツナは起きない。だから魔が差した。そう、ちょっとだけ、ツナが寝てるんならその隙に、してみたいなーと思ってしまった。そしたら体が動いていた。
 俺はツナの唇にそっとキスをした。ちょっと触れるだけの軽いキス。起こさないようにそうっと唇を離す。

 そしたら突然ツナの唇が俺の唇を追っかけてきて、俺は一瞬何が何だか分からなかった。一瞬遅れてあっツナが俺にちゅーしてるんだって分かった。瞬きをすると、そこには顔を真っ赤にして目をきゅっと瞑って俺に必死でちゅーしてくるツナがいた。俺にしがみつくような状態になってるツナの身体はぶるぶる震えている。長い時間だか短い時間だか分からない、ツナはぷはってプールの息継ぎの時みたいに俺から唇を離した。それが可愛くて俺はツナの肩を掴んで思いっきり口づけた。ツナの唇を食べてしまうんじゃないかってくらい思いっきりキスをした。んんんとツナは唸る。あっやべーと思って唇を離した。怒らせたかな、嫌だったかな。ごめん、と言おうと思った。けどその前にツナの唇が俺の唇に突進してきて、また思いっきりちゅーされた。何だよツナのバカもう知らねーから。ツナの両手を掴んで上体をベッドの上に縫い付けた。膝立ちになってツナに覆い被さる。噛み付くみたいにキスをした。唇を舐めて吸い付くと、ツナの唇の隙間から遠慮がちに舌が出てきて、不器用ながら大人のキスってやつをした。やっていいことなのか悪いことなのかそんなのもう分からなくてただバカみたいに必死にキスをした。触れた先からそわそわと這い上がってくる気持ちよさと、同性の友達にこんなことしてるって罪悪感が頭の中でぐるぐるしていて、俺はずっとツナが悪いんだからなって思っていた。








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